リボン

 
 
描くものについて考えていたけど、また花を描くことにした。
最近はまた、花を描くことが身体にあっているみたい。ほんとうは「フランネルフラワー」という花を描きたかったけど、植木鉢でしか売っていなかったため断念した。それでもう一回自分と見つめ合って、前描いたことのある、茎がふわふわした水色の花を選んだ(名前は知らない)。なんで植木鉢だと買えなかったんだろう。高かったからというより、軽薄だからかもしれない。
 
描かねばならないものなんてない、描きたいものがあるだけ。それをわたしは絶対にわすれてはいけない気がする。最近自分の絵に値をつけすぎている。とにかく自分はまったく潔癖でない、とよく思うが、つい一昨日くらいに、潔癖な人間なんてどこにもいやしないんじゃないかとも思った。いるかもしれんけど、そんなのわたしは信用できない。多分、みんな泥。神格化なんてするもんじゃない。昔の絵を見て、人間嫌いが露骨にあらわれていて笑ってしまった。あのときと何が違うのだろう。
さっき、チューリップを二輪捨てた。艶のある茎だけじゃ、だめなのか。わたしは。
 
 
チューリップの花びらはリボンのように台所に舞った。