還る絵 /展示のおしらせ




企画展に参加させて頂く事になりました。
今回はお声掛け頂いてから描き始めたもののみを展示する予定です。
今年はコロナ騒ぎがあり、個展を諦めた中でのお誘いだったので、(メンバーにビビりながら)張り切って制作しております(今も)。
前回の展覧会ではアクリル絵の具で描いていましたが、今回は油絵の具も使ってみました。
人ごみと、休館日には気をつけてお越し下さい。

市村 柚芽

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キンモクセイの町






半年ぶりに会った友人と歩いた景色を現像すると、夕暮れの色で満ちていた。

 


   なまあたたかい春の台風


描くものを変えることは簡単に出来るけど、描きたいものを簡単に変えることは出来なかった。(当たり前かもしれないけど)

変化することーそれはパンを発酵させるみたいに、長い時間が必要だ。なにか行動を起こすより、何もしない時間、熟成させる時間がいる。
だからその時によって、何を見ていなくても描きたい物が自然に変わっていくのかと思う。
そう思うと時間が経てば、いつまでも変われない自分自身も解き放たれるのではないかと思えてくる。

風景と心


鏡だと思って月を見ると、地球は光っているように思える。大きな穴だと思って見ると、地球は暗い底のように思える。月はよく見上げるが、見る度違うものに変身する。風景とはまさに心の動き。
今まで会った全ての人に、全てを怒られ人格まで否定されぶん殴られる夢を見た時、自己肯定感が欠落している事を自覚した。
多分それは、自分という風景を、風景として捉えられていないせいだ。
ごまかしやいつわりのないように筆を動かす事で、彫るみたいにして自分の意思を明確にしてくれる。輪郭が出来たら、あとはモチーフとして自分を観察したら良い。筆の動きは道しるべになってくれる。全ては発光したり穴になったりすべきだと思う。誠実であることが、最も大事なのかもしれない。