2022-03-29

花 / duft 展覧会の記録

 










今更ですが、先月開催した展覧会の記録。ケータイの写真ではつたわらない色ばっかりだった。仕方ないか。というより、そういうもんか。去年高円寺のpockeさんで花の個展をしたが、展示する場所によって、絵のかがやき方はこんなに変わるんだなと驚いた。duftさんでは極彩色のうつくしい花々が売られているので、生きてて、それにこんな鮮やかな花たちとかつて生きてた花の絵をならべたら負けるに決まってる…とどこかで不安に思っていたけれど、そんな不安わすれるくらいよかった。私の絵は私が思ってるよりもはるかに強く、絵は他人であるとも思った。こないだまで家の壁に雑に貼られていたくせに、もとからいたみたいな顔して花たちとならんでた。額装されてきれいになって、すました顔してぴしっときめてた。すこし恥ずかしい。店主ちえみさんは花のような人で、(写真撮るのが下手で悔しい)会えると嬉しい。自分もあんな綺麗な人になりたいと思う。

浦川さんデザインの包装紙は、ポスターとしても使えます。印刷物としてもかっこよくて、私は印刷について少し興味がわきました。この展覧会が終った今でも使っていただいています。花といっしょに、持ち帰ってもらえたらうれしいです。お近くの方は是非。

duftさん→
(かっこいいデザイナーさん)浦川さん→

2022-03-24

 


最近あったうれしいことを、淡々と述べている人がいて、それがよかったので、自分も真似てみる。 うれしいこと、三つ。

 
一週間のうち八割くらい働いていたアルバイトは辞めたけれど、週に一度くらいしか入らない唐揚げ屋さんはながいこと働かせてもらっていて、最近は出勤するたび、お客さんに褒めてもらえる。昨日は、ほそい声で少し怒り気味で喋るおじさんに「あなただけだよ、こんなに優しく接客してもらえるのは」と言われた。その前は、「貴方は前から居るの?きもちのいい接客をしてくれてありがとうね」とか。あとは、どんな言葉だったっけ。嬉しかったことだけおぼえてる。そんなに親切な接客をしてないけど、毎回、八十人くらいにからあげぽこぽこ売ってる中、一回か二回くらい、なにかしら褒めてくれる。それがいつもうれしい。うれしいし、うれしいだろうと思う。私がお客さんであるときだって、よい接客はそういう気持ちになる。人と話すのは苦手だけど、こういうコミュニケーションはいいもんだなと思う。交わりがなければ人は風景に過ぎず、そこに自分が入る隙はなくて少し寂しい。閉め切ったひとごみは際立たせるだけだし、いざ「話をする」となると身構えてしまい疲れる。店や場所があるっていいね。もう二度と会う事はないかもしれないというところも好きだ。おまけくらいのやさしさの効果高い。そういうの感じるたび、風景にあたたかい色彩の絵具がおけるようになる。なんというか、地に足をつけて歩む事って、やっぱり好きだなー、なんて思う。(お客さん、ありがとう)

 
この間の地震で、住んでいる地域は長い間停電となった。 
停電はかまわないけど、なんとなくこれからまた揺れるのではないかと恐れて、怖くて震えた。うちのアパートには共用玄関があるので、下に住んでいる女の子と蜂会った。初対面だった。暗いですね、と言うと、玄関に、古いオイルランプを持って来て照らしてくれた。会話は、多分、あんまり成り立ってなかった。(私が流行りに疎すぎたからだと思う)うまく話せなくてぼやーっとしていたら、部屋から古いタイプライターを持って来てくれて、遊ばせてくれた。やさしい光の中で文字を打たせてもらったのがあったかかった。外は驚くほど真っ暗だった。
 
 
最近、私の絵を見たかった、初めて見れた、すごく嬉しかった、なんていう感想のメールを、何通かいただいた。私はつい、その感想文より長いメールで返信してしまう。自分のために自分の好きな絵を描いては自慢しているだけなのに、買ってくれたり、感想を伝えてくれたり見に来てくれたり、展覧会に誘ってくれたりする人がいつのまにかいる。幸せな言葉たちを120%くらいで受け取れる自分の身体も嬉しい。ありがとうございます。
 

 

真っ暗な場所で黒いものをまばたきをしないで見つめていると、その黒が視界全体にひろがっていく。その逆のようなことの積み重ねで、日々すごせたらいいな。決して目をつぶる訳ではなくて。
 

2022-03-21

大阪

 

 














 
iTohenさんでの展覧会の初日、在廊するためはじめて大阪へ行った。
大阪は東京よりもパワフルでめまぐるしい情報量があって目が回る、ふらふらする。
しらない町でひとりぼっちだなんて感傷にひたろうとする隙など与えられずイラッシャイマセー!イラッシャイマセー!と声をかけてもらえたりお店からバチバチでっかい音が流れて来てびっくりしたり気を抜くと車にぶつかりそうになったり車いすにのったおばあさんがタバコを路上で吸っているのが格好良くてみとれてしまったりする。
道頓堀の橋の上、アコーディオン弾くお姉さんにはじめてチップというものを入れさせてもらった。千円札にぎりしめていったら十円玉しか入ってなかった。あの人は今日もあそこでアコーディオンのいい音鳴らしてくれてるのだろうか。また聴けたら良いなと思う

2022-03-10

大阪での展覧会のおしらせ

展覧会のおしらせです。
 
 
直前となってしまったのでさらーっと告知させていただきます。
大阪のギャラリーiTohenさんにて、三人展をおこないます。
みなはむさん、森ひなたさん、 市村柚芽の絵がみられます。
私は主に静物画を、そして数点花の絵も送りました。
初めて東京以外の場所で展覧会に参加させていただきドキドキしています。
初日、すこしだけですが在廊する予定です。
こんなご時世ですのでやはり毎度大声で来てくださいとは言えませんが、近くを通りかかったときなどみてもらえたらうれしいです。
 
◎3/12-3/28の土日月のみ
◎11:00-18:00まで
◎いとへんさんホームページ→

死なないものへの敬意


静物を描いていると気分がとても沈み、そこにちょうどいい音楽をかけると気持ちよくどこまでも落ち込める。花を描いているときと逆。(花の時はハイになる) 
花が枯れて散ってくのを見て生を感じるのにずっと在る静物は寂しくなる。矛盾。自分の感性がおかしいのかな?リンゴがだめになる様を表現するときの言葉遣いとしては死ぬではなく腐るという言葉が適切で、それは何でだっけ。静物を描いてるとき、私は宇宙にひとりぼっちだと感じる。
今描いているのは医療用の痰壺で(画像下の絵)、私はこのうつわを選んだとき名称も用途も知らなかった。目的や意味を失ってから残ったもののことを本質と言うのかななどと思った。そういう角度からみると、案外ちゃんと敬意をもって静物画を描けているように思う。

2022-03-05









 











どんなに下手な写真でも 写真は等しく 賢く優しい 私は全部忘れてしまうが カメラはちゃんと覚えてくれてる カメラってどうなってんだろ すごいな いや 忘れるってこともすごい