ひよすけ という新入りメンバーが加わりました。
久しぶりに太田裕美の歌をたくさん聴いたら、二年か三年前の夏に京都に行った(着いていった)ときの思い出が断片的に起こされた。太田裕美が大好きな友達と高速バスに乗って十時間くらいかけて京都に向かった。友達が一人太田裕美のライヴに出掛けている間私はホテルで絵を描いて待っていた。プレゼントしたマーガレットのイヤリングをつけ、レトロなワンピースを着た姿が可愛かったのと、宿近くで猫を追いかけたのと、京都は物凄く遠いと思った事..くらいしか思い出せない。太田裕美を、たしか特等席で見てきた友達は、ホテルにもどってぼんやりとしていると思ったら涙ぽろぽろ溢れ出して震えていた。夜中、外に出て、歩きながらアイスクリームを食べた。その場面の記憶は自分のなかで幻みたいにきらきらしている。この記憶が起こされたとき、彼女の絵の事にも気付きがあった。彼女の描く彼女の大好きなものや人の絵はいつもその記憶のような煌めきがあり、一筆一筆がその涙の粒みたいだなと思った。だから綺麗なのかもしれない。
太田裕美 カントリー・ロード→ ★ (リンク)
久しぶりに町に出てかき氷を食べた。自宅から一駅しか離れていないけど、遠くに来た感じがして楽しかった。夏の影はほんと美しい。どこ見てもドキとする。あと花が美しくて感動する。蝶になったら花とキスして食事できるのか。それは、いいな
最近は誘っていただいた企画展の為蝉の声聴きながら絵描いてます。やはり 両手で抱えられる位の大きさの絵を描くのが一番実感があって楽しい。 最近分かったのは、自分は物凄く冷めやすい事。のめり込むと時間を忘れて描けるが、描かない時間が出来るほど描きたくなくなっている。次の絵を描きたくなっている。極端に言うと三日で描き終わる意識を持って描かないと中々完成しない。今は雨の町を描いているが、はじめは青く光った街だったのに、気づけば漆黒と夕暮れ色した屋根が続いていた。商店街だけが青くバスを境にして住宅街や道路は赤い状況。完成にはほど遠い。絵を眺めていると私はバスに乗って景色を眺めている気になった。一駅進む度に窓の景色がガラと替わる。街の色が変わったり雨が降りだしたり人で賑わい始めたり光が射し込んだりする。飽きる事がなかった。描かんと、と思って現実に戻ってきた時、未完成であるこの絵がアンバランスながらもとても美しい物に見えた。
夜更けに道路沿いを走っている時、家が近くなってきたので住宅街に潜ると、ピエロや車の絵が描かれた大きな家に差し掛かった。暗くてよく分からないけど壁には蔦が這っていた。家に近付いた所で道路沿いに戻ろうと住宅街を抜けるとそれは家と逆方向だった。私は方向音痴なので家からおよそ徒歩五分圏内の道々をしばらく徘徊した。すると再びピエロの家にぶつかった。看板が立て掛けてあり、ピエロと書いてある。敷居には文字がつらつら書いてある。漢字ばかり。よく見ると窓から橙いろの灯りが漏れている。午前三時近くに。ひるまに散歩で何度か辿り着いたことはあったけど、灯りが点いてるのは初めて見た。廃墟かと思っていた。
ピエロの家を目印に道路沿いに戻って帰宅して、インターネットで調べた。住所も電話番号も非公開の喫茶店らしい。また辿り着けたら行ってみよう。