2024-03-08

雪の日


眠くて眠くて二度寝したら、また夢を見た。
私は久々に実家に帰っていて、猫がいた。
思っていたよりずんぐりむっくりしていて、
毛羽立った古いぬいぐるみみたいな毛をしていた。
なでたら、ごそごそ、って音がした。
むかしはもっと艶があって、絹みたいに光っていたんだけども。
しかし、毛艶がなくなって姿が変わったとしても、目の前に居てくれるだけで、こんなにも心が喜んでいる。それを母に伝えたりして、家族と団らんする。
 
ホットカーペットの上で、布団をかぶって三角みたいな形になりながら、遠巻きに猫を見ていた。ふと、母に話しかける。「あ、おもいだした」。私はまた思い出した。
夢の中で思い出すの何度目だろうか。
私は泣いていないのにすごく泣いていた。ふと母を見ると、母も泣いていた。
 
 
起きたら、窓から見える景色が真っ白だった。
一晩で、 雪が積もったらしい。その雪が太陽を反射して、白く光ってる。
私は雪が降ったことすら知らないで、たくさん眠っていた。
 
日常に戻っても特に泣いたりはせず、普通にゴミをまとめて外に出る。
すんとしている。雪がそばにあるとき、空気がきれいな気がする。
照りつける太陽で、雪はすごい早さで溶ける。滴る音があちこちで鳴る。

部屋に戻って窓を見た。
カーテンが、黄金色にひかっている。
こうして積もった雪も、この天気じゃすぐに跡形もなくなるだろう。
あんなに真っ白なのに、どこいくんだろうね。