夜中、何も描くものが思い付かないので、困ったなと思いながら読書をした。最近は文章を読むのが困難で、途中で放っぽり投げていたのだが、その晩はいっぺんに物語の真ん中まで読めた。少し散歩をする予定だったが(散歩をすると描きたい絵が浮かぶ)、本を閉じた後そのまま眠ってしまっていた。そして不思議な夢を見た。
夢の中では、美しい写真を見た。それは雨が上がり陽が射してきた冬の団地のエントランスの写真だった。通路の写真もあった。ドアは水色と緑色をしており、自分の住んでいた団地12号棟とよく似て不思議だと思った(それは夢だからであった)。フィルムは恐らくKodakが使用され、空の反射した地面の青とドアの青が美しく映っていた。
夢の中の自分もブログを書きたくなり、団地についての作文を書いた。以下思い出しながら。
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ゆめちゃーんとドアを叩いてお裾分けをしてくれたお隣のワタナベさん。いつもニヤニヤして少し怖い印象があった向かい側の優しいオイカワさん。(亡くなった。)左脇の優しく可愛い姉さんのあーちゃん。向かい側の左脇の小学生の時にお父さんを亡くしたなっちゃん。向かい側の右の奥のみなみちゃん。・・ 今、そういうご近所さん付き合いは全く無いので、その距離感を懐かしく思い出した。人見知り内弁慶の私は当時居心地が悪かったように覚えているがそれは理想的な環境だったのかも知れない。父がギター弾いて母は丸パン焼いて赤いカーテンから射す日光も綺麗だったような。不思議なもので思い出は良いように記録されているのだった。というか良い部分の記憶ばかりが日付も消え断片的に残っているのだった。
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夢の中で過去の事を思い出すのは覚えている限り初めての事で、まるで時間旅行してるみたいだった。 起きてから急いでごみを出しシャワーを浴びた。すると頭の中で描きたい絵が形にならずに留まっていた。思考しなくても寝ているだけで沸いてくるのは驚いた。
ちなみに読んでいた本は、ミヒャエル・エンデの「モモ」。昔に一度読んだ事があった。 そして夢の中でも作文を綴っていたのは意外だった。自分の中でそれは重要な役割を持つようになって来たらしい。 誰が読んでも面白いとは言えないような文章を、読んでくれてありがとう。ところで毎日同じ人が読んでくれているみたいですが、一体誰なんだろう。正に、灰色男にいつでも介入されてしまいそうな思考回路を持っているために、私の事を嫌いな人達が何らかの理由で来ているのではないかと思ったが、人に話すとそんなわけないやろうと言われた。別に、そうでも良いのですが。そして私も灰色男にならぬよう気を付けます。