マイスター・ホラ


ある店を訪ねた時の作文。

その店はまったく別の場所に居る二人から教えてもらった店で、二人とも是非行って欲しいと言っていた。向かえないまま月日が経ったが、やっと叶った。
店主と話すと、自分の中でとても意外な事が発覚した。交わるとは思わなかったその二人は、店を介して、一つの線の中で繋がっているらしい。
物理的にも職業的にも遠い場所に居る人達だったので、そこが繋がるとは予想していなかった。その影響で、二人の周囲の自分に関わる人や物や場所 今一緒に暮らしている人までもが ポンポン・ポンポンと結ばれて行き、巨大なサークルが出来た。
店には来るべきして来たのかも知れない。更には自分の今までの選択も、ここに来るために取ったものなのではないか。と考えた。サークルを思い浮かべていると、こうも考えられた。何を選んでいたとしても、その巨大なサークルからは逃れられなくて、全ては出会うべくして出会ったものたちであり、どのような選択を取っていても出会わなかった人など居なかったのではないか、・・・と。壮大な考えを持ち始めた。その日なんとなしに買った宝物(▲画像)もそれを象徴しているような・・気がしないでもない。
店主は祖父母くらいの年齢なのに、話しているとその事を忘れるのだった。その店はモモの、「どこにもない家」のようで 私は「モモ」で店主は「マイスター・ホラ」のようだと、夢想した。ああ、感化され過ぎ/夢見すぎか。差し入れした焼きたてのクッキーを全部食べ終わる頃には二時間近く経っていた。そんなに話していたのか、と驚いた。品物を買う時、何でもタダ同然で受け渡そうとして来て下さった。そんな所も、エンデの世界を思わせた。もしかすると、あの店にくる人は誰でもモモになるのかも。
・・知らんけど

(店名出さなくてすみません あなたも何処かで繋がるかもしれないので、それで向かってみて欲しい)