わからないってすごいことなのか。
最近、作業中には、穂村弘さんの出演したラジオや番組を探して、片っ端から流している。短歌もエッセイも読んだことがないのに、一回声を聞いたらまた聞きたくなったので、ずっと聞いている。それで、べつにそんな内容の話をしていたわけでないのに、そんなことを思った。今、自分の視界にひろがる景色と、穂村さんの言葉が、そのように接続された。
「わからない」。それは、真っ暗な部屋で、手探りで、「わたし」と「外」との境界線を見つけるような発見。深いはずなのに、分厚く覆われているはずなのに、境界が急にみえてくる。
笑えないお笑いはすごい。のれない音楽はすごい。ついていけない会話はすごい。わからない、は、本当にどこまでもわからない。わからないから描こうとする。わからないから嫌悪する。わからないから恐怖する。わからないから愚かになる。しかし、それでも、わからない、は、正しいと思う。