夢を見た。
また、もう死んだ猫がまだ生きている夢だった。
こういうどうにもならない夢を見る度に、どうしても記録しておかなければと思ってしまう。
なんなのだろう、何に対しての執着なんだろう。
夢の中で猫は、生前よりまるっとして、毛がうすかった。
病気をして、もういつ亡くなるかわからないから、久しぶりに実家に帰ってきたという設定だった。
なんとなくそれが最期の夜のような気がして、私は猫を撫でて目をつむったとき(あとどれくらい一緒にいられるかな)と思った。
また、もう死んだ猫がまだ生きている夢だった。
こういうどうにもならない夢を見る度に、どうしても記録しておかなければと思ってしまう。
なんなのだろう、何に対しての執着なんだろう。
夢の中で猫は、生前よりまるっとして、毛がうすかった。
病気をして、もういつ亡くなるかわからないから、久しぶりに実家に帰ってきたという設定だった。
なんとなくそれが最期の夜のような気がして、私は猫を撫でて目をつむったとき(あとどれくらい一緒にいられるかな)と思った。
そう思ったとき、ひもがほどけたみたいに夢から醒めてしまった。
夢から醒めたその瞬間に、また会えない日々がはじまることへの悲しみよりも、緊張していた心が楽になったことを強く感じた。
一緒にいれるよろこびよりも失うことへの恐怖ばかりに引っ張られる自分が憎い。
そんなことを考える暇があるのなら、もっとよく見て撫でていればよかったんでないかと思う。どうしようもなく。
起きてしまった後に布団でぼんやりしていてもろくなことがないので、台所で水を飲んだ。
外はまだ真っ黒だった。それでも早朝の時刻であった。
祭壇の前で久しぶりに手を合わせてみたら、涙がぽろぽろ出た。
泣いていたってまたろくなことがないのも分かり切っているので、こうして文章を書くことで深呼吸をはかる。
書いている内に窓の外が青白くなった。
祭壇の前で流した涙は、会いたいなあと思ったらぽろぽろ湧いてきた。
さいしょの二、三滴くらいは、きっと純粋な。
昔より少しは変われたんだろうか。少しずつでも、変われているんだろうか。
(2024-2-22 早朝)