2021-09-20

サイドテーブルの夢




一人で暮らしはじめてから、自分が案外ちゃんと生活が出来る人間だった事を知る。部屋はいまだに旅館のようで、気持ちが良い。生活感はなるべく押し入れに収納してる。絵を描き、休む家にしたい。
今日はバス停を探して夜のまちをさまよった。そのときずっとサイドテーブルの事を考えていた。「サイドテーブルに石置いて描いたらさぞたのしいだろうな。」と前からぼんやり思っていた。最近その欲望がどんどん膨張している。とりあえず無印良品に行って、テーブルを凝視して店を出た。バスのなかで、カップルを見つつサイドテーブルを考えた。家についてからケータイを見て、サイドテーブルを調べた。今、Amazonのカゴにサイドテーブルが入っている。早まるな、と正常な私が遠くで叫んでいる。正常な私がどんどん遠退いていく。この作文を書いて、サイドテーブル中毒になってる私を誤魔化しつつ自分を客観視させようと思った。ほんとはサイドテーブルよりも、圧倒的に筆が必要だった。持ってる筆の筆先は全部、4つくらいに割れているので、描いてるときメチャクチャ腹が立つ。(自業自得) 
それでも、サイドテーブルは、ほしいわ。イラストレーションに載ってた、nakabanのアトリエにずーっと憧れる。あんな長い作業机を置くスペースはないから、小さなサイドテーブルでいい。だからサイドテーブルがほしい。
私は、高山なおみさんの海の見える窓があるような家で、nakabanのアトリエみたいな部屋に住んで、のっぽさんみたいな格好で、毎日ちゃんとおいしいもの食べながら、花も愛でられるような、絵を描くじいさんになりたい。老後ね。
でも、そんな理想的な環境で過ごすことになったら、心底クソみたいな絵しか生まれなさそう。それで、結局逃亡しそう。なぜか。なんでだろう。
ひねくれてるからか。