先日個展に来てくださって、久しぶりにお会いした人を見た時何故かドキッとした。それはなんの気持ちだ?とずっと考えていた。ろくに話した事もないし、これから先も話すような事はないだろうという人だったし。
しばらく考えて生活を送り、昨日の昼になってようやく、あー、夢の中で秘密の話をした人かもしれんと気付く。そういうことか。
日常が夢に引っ張られている。
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実際の会場での個展が終わってからというもの、時間が過ぎるのが本当に早く、それについていけない。
この速度にのまれないように、もがくように絵を梱包しダッシュで郵便局に預けた。
今まさにウェブ上で展覧会をしているので、ちょっとだけ実際の会場での感想を書く。
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今回の個展はひたすら楽しかった。何から何までが自然に発生したような、何も無理がないような感じなので、呼吸がしやすかった。「絵を売る事」だって昔はずっと頭をひねっていたのに、今回の展示ではそれも自然なながれのように捉える事ができた。(何度か緊張で吐きそうにはなったけど)うまく言葉にできないけれど、はじめてお金がきれいに思えた。
私は社会のことが、好きらしい。<社会と絵>という関係も好きらしい。これからはよっぽど健全に、絵を描いて売って、が出来るようになるのかな。
じゃあでも、本当にみずみずしい潔白な絵を描けるのって、死ぬ間際とかになるのかもしれないな。それは嘆いても仕方の無いことだけど。
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会期中は雨がふったり晴れになったり風が背中を押して来たり夏なのになぜか涼しかったり、地球がいろんな表情をしていた。それと同じように個展の会期中、私を取り巻く環境も毎日パタン、パタンと変わった。昨日まで敵だった人と一緒にごはん食べてるみたいな、そういう内容のもの。(それが人であったり心の中の人であったり感情であったり)あれなんだったんだろう。多分いい方に変わったんだけど。不思議な一週間だった。
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花の絵をえらぶ人を見るのがすごくよかった。その人が選ぶ花は、なんとなくその人に似てる事が多かった。買ってくれた人にたいしては、届くべき人のところに届いた感じがした。それが心底嬉しくて、ためいきが何度も何度も出た。(ありがとう)実は手放したくないと思っていた一番お気に入りの花は、この人に持っていてほしいという人が突如あらわれて、本当にその人が買ってくださった。そのやりとりをしてるときに、こういう感覚って人生であと何回くらい味わえるのかなと考えた。はー、ほんとに嬉しかった、楽しかった。
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嬉しかった、楽しかった、ありがとうしかでてこない展覧会にできた事は、これから先のわたしの人生をてらしてくれる灯りになると思う。こんなに希望を教えてもらったから、多分大丈夫な気がする。ほんとにありがとうございました。
あ、ウェブ版のほう、よかったら見てくださいー。
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