久しぶりに太田裕美の歌をたくさん聴いたら、二年か三年前の夏に京都に行った(着いていった)ときの思い出が断片的に起こされた。太田裕美が大好きな友達と高速バスに乗って十時間くらいかけて京都に向かった。友達が一人太田裕美のライヴに出掛けている間私はホテルで絵を描いて待っていた。プレゼントしたマーガレットのイヤリングをつけ、レトロなワンピースを着た姿が可愛かったのと、宿近くで猫を追いかけたのと、京都は物凄く遠いと思った事..くらいしか思い出せない。太田裕美を、たしか特等席で見てきた友達は、ホテルにもどってぼんやりとしていると思ったら涙ぽろぽろ溢れ出して震えていた。夜中、外に出て、歩きながらアイスクリームを食べた。その場面の記憶は自分のなかで幻みたいにきらきらしている。この記憶が起こされたとき、彼女の絵の事にも気付きがあった。彼女の描く彼女の大好きなものや人の絵はいつもその記憶のような煌めきがあり、一筆一筆がその涙の粒みたいだなと思った。だから綺麗なのかもしれない。
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