ピエロ

▲「ピエロ」の店の壁の文章

夜更けに道路沿いを走っている時、家が近くなってきたので住宅街に潜ると、ピエロや車の絵が描かれた大きな家に差し掛かった。暗くてよく分からないけど壁には蔦が這っていた。家に近付いた所で道路沿いに戻ろうと住宅街を抜けるとそれは家と逆方向だった。私は方向音痴なので家からおよそ徒歩五分圏内の道々をしばらく徘徊した。すると再びピエロの家にぶつかった。看板が立て掛けてあり、ピエロと書いてある。敷居には文字がつらつら書いてある。漢字ばかり。よく見ると窓から橙いろの灯りが漏れている。午前三時近くに。ひるまに散歩で何度か辿り着いたことはあったけど、灯りが点いてるのは初めて見た。廃墟かと思っていた。

ピエロの家を目印に道路沿いに戻って帰宅して、インターネットで調べた。住所も電話番号も非公開の喫茶店らしい。また辿り着けたら行ってみよう。