WASURETA WASUREMONOⅢ

 

2022年から、『WASURETA WASUREMONO』(わすれた わすれもの)というややこしいタイトルのシリーズの小冊子をつくってきました。その第3弾が、先日完成しました。ちょうど2年ぶりです。グレーの紙に、ことばと絵を青いインクで印刷して、束ねました。
 
第1弾は、いつかの帰路のスケッチを、黄色い紙に真っ黒いインクで印刷して束ねたもの
第2弾は、いつか見た夢をおもいだして「FLY ME TO THE MOON」という漫画としてかきおこしたもの ..わたしのことを好きだといってくれるあなたと、真夜中にどこまでも散歩するものがたり
第3弾は、第2弾の続編のようなものになりました。 ..夢から醒めてひとりのわたしが、おもいだせないあなたに向けて綴った手紙の断片
 
どこかでみかけたらお手にとっていただけたら幸いです
(取り扱ってくださるお店がありましたらご連絡ください)
後日ウェブショップにも載せる予定です
 



 



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蛇足
 
 
今回は面付けしたA3の紙1枚+A4の紙1枚でカバー含めた1冊ができる設計で制作。断裁やら製本は自分で。金額の都合で今回はそれぞれ300部(300冊分)印刷を依頼。印刷された紙が大きな段ボールで届く、重い。でも、こんなもんかあ、という感じ
断裁して丁合して折って束ねて綴じる。そこにカバーを取り付ける。あとは微調整の断裁。貼り作業もないしホチキス綴じだし簡単な作業しかないのだけど、3回に1回くらいは失敗してしまうので、また個体差がありまくりの本となった。使った紙も古紙なので、同じインクを使っていても発色に結構影響が出ているのか、青もいろいろ。
丸4日くらいですべての作業が終わった。300冊はできてみるとまあすごい量で結構重い。小口や天地を断裁したときに出る細い紙切れをあつめたら、大きな袋2袋分くらいになった。
わたしの手からできてゆく紙束は、本と呼べるほど強固なものではないような気がするが、それでも生身の絵とは違って複製物だなあと、たくさんある青い紙束をみて感じる。個体差あれど同じ内容のものが300冊。わたしは300冊分何を話したかったんだっけ?なんて、圧倒されたら忘れてしまった。真意を届けることが自分の役目ではないのだと思う、わたしは無力でいたいから。むしろそれを捨ててから世に放つことが課題ではないのかと考えた。そう思えばこれは正解なような気がする。