2024-08-10

レモンと瓶

 
 
きのうのスケッチ、レモンと瓶
 
わたしはレモンを描くとき、『レモンイエロー』はつかいたくなくて、『ネーブルスイエロー』がいつもしっくりくる。これに、更に少しの肌色や、ピンクも加えたい。軽い茶色も混ぜたり。朱は調子に乗るとやりすぎになるので、加えるとしたらほんとうにすこしだけ。また、きいろのことをするとき、自然光でやらないと、だいたい失敗する。
レモンのにおいはさわやかさとあたたかみ(やさしい感じ)があって、たぶんわたしはレモンの果肉のすっぱい部分より、ぶあつく不透明な皮に惹かれる。
昔、美術予備校でモチーフ用のたくさんのレモンがぎゅうぎゅうにつまった箱を見た。レモンとレモンが重なったかげが桃色に反射していて、体温があるように思った。


はらはらと砂のように手放したかけらを
波が運んで春になる

(この絵を描いていたとき聴いてたうたの、きれいなことば)