泥蛙


5年前に描いた絵。
黒すぎてわかりにくいが、母のうしろに乗ってふりかえる子供。
絵はほとんど手元にないので、こうして画像データだけ見るが、どんな絵だったかあまり思い出せない。大きさとか、質感とか、色味とか、忘れたなあ。 

それでも、好きな絵を描く人の影響をおおいに受けながら、どうしても忘れたくなかったことを必死に描いていたあのときの自分の心のうちは、ぼんやりとおぼえている。ここに記録していたからかもしれない。今とはぜんぜん違った。

振り返った先にはなにもなく、からっぽの絵だけ残る。
そんなものに、もう意味とか価値なんていらない。ただの不安障害であると言い切りたい。そう思うと過去の絵は、なんて気持ちがいいんだろう。きょう描いた絵も、いずれそうなってくれる?