昼間の窓

 
スケッチ/昼間
 
存在に、理由や目的は必要なのだろうか
よくわからない
いくつかを透明にして橋をかけて渡る日々のことを
肯定も否定もせずに生きていきたいとおもう

ドライイーストを買ったから数年ぶりにパンを焼いた
発酵のあいだには絵を描いて過ごした
焼きたてのパンはカチカチ言うから楽しい
夜には里芋の煮っ転がしを作った
鍋の中で転がすと里芋が照ってうれしくなった
今日は机から台所までの行き来を何度もした
 
少し前に描いたこのスケッチを見返したらとても心地よかった
手前には水バケツ・その向こうに台所の窓
 
パンが焼けるにおいや、煮物の甘いにおいが現実か空想かわからん中でまた漂ってくる
気がつけばバケツの水も窓の向こうも真っ黒
また明日、日が昇るか不安になるほど真っ黒 
ちゃんと暮れたのだから
ちゃんと昇るだろう
と言い聞かせて水バケツ洗う