春の夢

 

 
先日完成したチューリップの絵。
こんなにおとなしい姿だったのは花を買った当日だけだった。
翌日にはもう茎が変な方向に延びる。みんな別の方向に。この小さな花瓶には収まらないため、早々に大きな花瓶に移し替えた。
近所の桜は満開。亡き猫のように優しくてふわふわとしている。
住宅街のいたるところに鮮やかな花がみられる。
一昨日くらいから天気は雨。風邪と花粉症は落ちついて来ても、身体が重くてたまらない。
春、人間は眠っていた方が良いんじゃないかって思う。
生気を植物たちに吸い取られている気がする。
寝付き悪いけれど眠れば毎日十時間くらい眠って、心地いい夢を見る。
今日の夢は二本しか覚えてないけど三本立てだった気がする。
一本目は猫が生き返る夢。はじめふれた時、体温がないのが途方もなく悲しくなるくらいリアルだった。あごの下を優しく撫でていたら、ゆっくりとあたたかくなった。死んでなくてよかったって思った。
二本目はオーロラを観に行く決意をする夢。異国へ飛行機で飛ぶも、観れなかった。けれど、全部捨ててでも私は行きたいって思ったのだった。何が決めてだったんだろう。
 
起きてから、身体の何かがごっそりと落ちたように不安。
愛するものが居た世界には何よりも価値があって、そこで生を全うしたいと今も思うが、でもやっぱり、どう頑張ってももうこれまでみたいに会うことはないのかと思うと、全部終わらしたくなる、逃げたくなる。バカバカしくて寂しくてやりきれない。
結論は出ていた筈なのに、分かんなくなる。
窓辺とかを見た時に、『あ、ここに居そう。』と思う事があった。そう思えたなら、その時そこに、実際に、きっと、居るのにね。なのに寂しくなるし、時々、無性に撫でたくなるのです。
困った。
なまあたたかい空気は何だか不穏でしょうがない。