曲がり角で過去とばったり

 

昔には描けなかった花の形が取れて、色を塗ってみようと思ったら夢の中みたいに身体が重い。手を動かしていたら昔の色とばったり出会う。懐かしい色をまた通り過ぎて今に帰ってくる。またな!

ここ数日は、絵を描けないあいだはずっと、自分が生まれる十年とか二十年くらい前の曲のライブ映像を見ていた。タイムスリップしたみたいに昔、昔の映像ばかり見て、ぱつんと閉じて、今のその人の映像を見直したら、ふとしたしぐさや表情に過去が重なって、この人ずっとこの人なんだなあと実感する、そんなことはあたりまえなのだけども、涙が出てくる。「だけで」とは言えない、元気でいてくれて今でも歌っててくれてわたしがこの歌を聴けるまであってくれてありがとう、という気持ちが込み上げてきて、「オエーッ」(感動)となる。
 
歌とはいいものだなあと思う。ずっと昔に作った曲を、何十年も繰り返して歌って、そうやって、歌をつくった人にも、聴く人にも馴染んでいく、大きな時間のこと信頼して、その人の手から離していく(放していく)。その流れは、いいなあ。いいよなあ。
絵でまるまま同じことは自分にはできないから、せめてそんな気分でわたしも花をいっぱい描いてみようかなぁ今年は、なんて考えてます。ミュージシャンみたいに全国ツアーしたいな。
展示の予定はあまりきまってなくて、最近はメールのお返事もできてたりできてなかったりで(いただいたメールはとてもとてもうれしく読んでいます)なんにもしないかもしれないけれど、どこかでお見かけの際は、見てくれたらうれしいです。