三時のカラス

 



午前三時。
黒だけが出てくれないプリンターと、ログイン画面までは開くのにその先をいこうとすると真っ白になるパソコンと、ひとつ戻るを押したらゼロになるケータイと。書こうとしたら出ないペンと、パンパンな胃と、ハコだらけの家と、洗ってない食器たちと、薬の残骸たちと。何してるんだろうっていう、ままならなさ。やったらいいのに、目の前がガサガサしていてなにがどれだかわからなくなる。 こういうままならなさにぶちあたると泣きたくなる。悲しみ。哀しみ。
 
午後三時。
胃薬を飲むためにお昼ごはんを食べようと思う。とにかく多めに多めに噛むようにする。測ってみることにした。噛んでいるあいだ、目が暇で、横目でインターネットを眺める。ふと目についた、なんてことないものに、強烈にばかげた悔しさをおぼえる。悔しさ?惨めさ?怒り?これは怒り?なんにしてもばがげてはいる。カラスがぎゃーぎゃーいいながら横切る。もしも私がカラスだったら「変になりたくて変になってるわけじゃないんだ!」って叫んでその人の家の横を通りたい。なにが多様性社会だよ。だよ。だよ。だよ…。などと急に憤っていたら薬を飲むことを忘れている。タイマーで時間を確認するのも忘れた。こういうところだ、バカヤロウ、コノヤロウ