花の本をまた開いてみるコーナー①


 

イトマイさんで花の絵の展示がはじまりました。
花の本は、これまで描いた花の絵を時系列にならべ、合間合間に日記や空想のお話を織り交ぜた本です。
刊行から約1年経ちました。なんとなく記念して、会期中、自分も久しぶりに花の本を開いてみようという企画を、ゆるくやってみます。今回は第1回。

絵自体はネットにアップしたりするためによく見返していましたが、日記まで読み返すのはとても久しぶりです。
どうやらこの黒いチューリップは、2020年11月21日の真夜中に、白いチューリップを描いたものらしい。今こんなふうに大胆に黒をつかうのは、なかなかできないと思います。黒という沼に落ちてやる、話はそれからだ!という心持ちをまずつくらないと、黒が暴走して、どんどん増えて、真っ黒い絵になるか、ずーんとしたぼんやり薄暗い絵になって、失敗してしまうからです。黒を舐めて使ったとき、何度も痛い目をみました。
たった4年前のことですが、この潔さに、若さなのか、強さなのか?パワーを感じます。花に全然興味なさそうなのも笑えます。
はっきりと距離があって、おもしろいなと思いました。