死なないものへの敬意


静物を描いていると気分がとても沈み、そこにちょうどいい音楽をかけると気持ちよくどこまでも落ち込める。花を描いているときと逆。(花の時はハイになる) 
花が枯れて散ってくのを見て生を感じるのにずっと在る静物は寂しくなる。矛盾。自分の感性がおかしいのかな?リンゴがだめになる様を表現するときの言葉遣いとしては死ぬではなく腐るという言葉が適切で、それは何でだっけ。静物を描いてるとき、私は宇宙にひとりぼっちだと感じる。
今描いているのは医療用の痰壺で(画像下の絵)、私はこのうつわを選んだとき名称も用途も知らなかった。目的や意味を失ってから残ったもののことを本質と言うのかななどと思った。そういう角度からみると、案外ちゃんと敬意をもって静物画を描けているように思う。